今回紹介する本は、マザーハウス代表取締役 山口絵里子さんの「裸でも生きる」です。
わたしが学んでいる一新塾の講師として知り、TVの「情熱大陸」で活躍は見たことがありました。
ハーバード・ビジネス・スクールクラブ・オブ・ジャパン・アントレプレナーシップ・オブ・ザ・
イヤー2012を受章された方ということや、お店は知っていましたが、初めて本を読みました。
本の書き出しから、子供の頃のいじめ体験、柔道で得た経験など相当ハードな内容に
ハラハラドキドキしながら、そして最後までハード内容は続き、一気に読み進みました。
これまでも若い人が起業経験を綴った本を何冊か読みましたが、どれも波乱に満ちていて、
面白かったけれど、この本はその比でないくらい壮絶ですごいドキュメンタリーの連続で、
一番衝撃を受けました。
目から鱗どころではなく、世界観が変わるくらいのインパクトがありました。
幼いころ、いじめから逃げず立ち向かった経験以来、彼女は人生のどんなことからも
逃げないという姿勢ができ、大人になっても全てのことから逃げずに向かっていきます。
疑問や好奇心を持ったら、知らない世界へも躊躇なく飛び込んでいく、
その勇気がとにかく素晴らしく、勇気をもらえます。
そしてその先には想像をはるかに超える厳しい世界の現実、現状、裏切り、失意・・・
様々な出来事が彼女に容赦なく降りかかり、いくどとなく折れそうになり、
たくさんの涙を流しながらあきらめない、逃げない、決して周りのせいにしない、
環境にせいしない、人のせいにしない、潔い彼女の姿がありました。
そこには常に自分と向き合い、自分の心の声、「本当に自分がしたいこと」
自分のミッション・ビジョンありきで行動するという山口さんの姿勢があり、
そのビジョンが次第に国境を超えた、全く違うバックヤードを持つ人達の
心とつながっていき、多くの人を動かしていく。
人は生きている間に、幾度と心の中に引っかかっている小さな石ころや、
自分に何かできるのではないか、「何かを変えたい」という志の疼き、
そんなものに心がかき乱されることはないですか?
しかし、たいがい人は目の前の事柄に追われて、そんな気持ちにふたをして忘れていく。
結局自分にはなにも出来ない、気のせいだと過ごして一生を終えていく。
でも山口さんはそんな気持ちにまっすぐに向き合い、考える前に行動する。
まずは行動して、現場を見て、考える。
問題にぶつかったら解決方法を探す、うまくいかなかったらまずは自分の心に立ち返る。
自分のミッション・ビジョンを確認してスタートラインへ立ち戻る。
心に残ったのはどんな状況でも、山口さんがよりどころにしたものは、
周りの声でも、尊敬する人の言葉や素晴らしい本でもなく、自分自身だったと
書かれていたところです。
そして最近、社会貢献や国際支援とか、新興国への援助という言葉を頻繁に耳にしますが、
山口さんが書かれていたように実際現場にいってみると、想像とは異なることが多い。
そんな時、援助とか支援って上から目線で、思い違いしていることがあるかもしれないという
事でした。
貧しい国の人たちはただただ生きるために、生きている。
そんな人たちからすれば幸せな環境に生まれた私たちは、
周りに気にして自分ができることにも挑戦せず、したいことを我慢して、
自分の心の声を無意識に遠ざけ、流されて生きている。
「君はなんでそんな幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」
他人にどういわれようが、他人にどう見られて評価されようが、
たとえ裸になってでも自分が信じた道を歩く。
常に自分と向き合う習慣をつけ、自分の心の声に従って行動したい。
そんな勇気をもらいました。
文庫本が出版されましたので、読みやすいと思いますよ。
おすすめの一冊です。
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みどりん
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