本日の日経新聞の記事から紹介する話題はこれです。
「男女雇用機会均等法 制定30年」
わたしが高卒で企業に入社した頃にこの制度ができましたが、
男性社会や古い体質の会社は突然には変わりません。
当時、女性は事務、男性のアシスタント業務、お茶くみという仕事が普通で、
電話交換、タイピストという職種も社内にありましたね。
ワープロやfaxもこの頃ではまだ目新しかった時代でした。汗
私が配属となった名古屋地区では出産退職される方がチラホラ増えてきた時代ですが、
他地区(東京本社・沼津・太田)では、数週間の産前産後休暇で復職される方が多く、地域差を感じました。
私が勤めていた会社は労働組合が力を持っていたので、先輩ママさんたちの働きかけにより、
比較的早くから「育児休職制度・時短制度」が導入され、女性の離職率がとても低い良い会社でした。
同僚では4人の子育てをしながら、いまだに仕事を続けている方もいます。
さて、話を戻すと「男女雇用均等法」が施工された時、当時マスコミでは『アグネス論争』という
ことが話題になりましたね。
タレントのアグネス・チャンさんが出身の香港では当たり前の「子連れ出勤」をし、様々な批判を受け、
まさに大きな論争の火種となり、社会的な問題へと発展したきっかけとなりました。
タレントの林真理子さんは批判的な意見でしたが、社会学者の上野千鶴子さんは
「働く母親の背中には必ず子供がいるもの」としてアグネスさんを擁護されました。
そして、なんとこの論争はアメリカの雑誌『TIME』に取り上げられ、アグネス・チャンは
その記事を読んだスタンフォード大学のマイラ・ストロバー教授の招きにより渡米し、
女性と教育のかかわりについて学ぶことになったそうです。
これらを契機として、アグネス・チャンは自身の問題を社会的問題と捉え、スタンフォード大学の博士課程に進み、
日本とアメリカの高学歴者の男女間格差を比較・考察した卒業博士論文により、教育学博士号(Ph.D)を取得しました。
すごいですよね~!
わたしのお友達でも働きながら、出産・育児をし、さらにビジネススクールに通い、MBAを取得されている女性が
何名かいらっしゃいます。彼女達の意識の高さ、軽やかな生き方は、新しい時代へと道を拓き、
世に中を変えていってくれる新しい風を感じます。
そして、最近またアグネスさんが話題になっていましたが、彼女のお子さんの3人息子は全員スタンフォード大学に
入学されたそうですね。
スタンフォード大学って世界でも2番目の優秀な大学らしいので、すごいことですよね。
母親が仕事しながでも子供は優秀に育つことが、30年経って証明された感じがします。
当時、アグネスさんを擁護した上野千鶴子さんの「働く母親の背中には必ず子供がいるもの」
がおっしゃる通りなのかもしれません。
わたしの母親が専業主婦でしたから、子供の頃はさみしい思いをしたことがなく、
手作りのおやつを食べることができて感謝していましたが、大人になって気づいたのは
母親の過干渉・過保護でした。
それにより私は見事に自分では何もなにも出来ない依存の強いダメ人間になってしまっていたのです。
母親自身も私が高校を卒業した時に、燃え尽き症候群になっていた時期がありました。
だからといって、専業主婦を非難しているわけではあありません。
あくまでもわが家の場合で、私の主観によるものです。
働きながらの子育てに関してはいまだに世の中では賛否がありますが、
30年前と違うのは日本でもいろんな制度が浸透し、女性が生涯を通じ働くことが当たり前となったこと。
さらには日本には新しい課題があり、人口減少により社会が女性の労働力を必要としていること。
があります。
最近思うのは、もう職場や社会において男・女ってわけること自体が古いのではないでしょうか。
出産だけは女性の役割だけど、それ以外はどっちがやってもいいんですよね。
ァベノミクス第三の矢である「女性の活用」って、言葉自体が男目線でズレている気と感じます。
女性の家事・育児の負担を減らし、活用したいのなら、男性が早く帰るような社会であることや、
移民を受け入れ、お手伝いさんなどを普及させる必要があります。
しかし阿部さんは「移民は受け入れない」という矛盾。
この辺りもいろいろな問題はありそうですが、何よりも今の若い皆さんが
仕事にも出産にも軽やか取り組んでいって欲しいです。
日本がそんな国になりますように。
みどりん